窓明かりがともされた家屋が水田に映る様子を収めようと集まったカメラマンたち=相倉合掌造り集落

窓明かりがともされた家屋が水田に映る様子を収めようと集まったカメラマンたち=相倉合掌造り集落

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早苗田の合掌 思う存分撮影 南砺・相倉集落で初の夜間鑑賞日

北日本新聞(2024年5月30日)

 南砺市平地域の世界遺産・相倉合掌造り集落で29日、窓明かりで観光を楽しんでもらう「窓灯(あか)り鑑賞日」が始まった。写真愛好家らの要望を受けた初の試み。県内外から訪れた多くのカメラマンが、水田を囲むように陣取り、水の張った田んぼに映る「逆さ合掌」をカメラに収めた。

 相倉集落では住民の生活を守るため、午後5時以降は住民と宿泊者以外は集落に入らないよう求めており、時間外に訪れるマナー違反を減らそうと、撮影可能日を設けた。

 ライトアップイベント以外の延長は初めてで、集落内にある駐車場、駐車場前の棚田、展望台の3カ所に限って見学や撮影可能とした。群馬や京都など県外ナンバーの車も目立った。

 夕暮れ前から一眼レフを手にした写真愛好家が集まり、午後7時すぎに日が落ち始めると、幻想的に暗闇に浮かび上がる逆さ合掌を収めようと、盛んにシャッターを切っていた。

 写真家の安念余志子さん(南砺市)は、講師を務めるフォトサークルanの14人と訪れ「昔ながらの原風景を撮影したい」と話した。名古屋市の山田久司さん(62)は「田んぼが水鏡になるのは今だけ。この時期だけの夕景を撮影したい」と語った。

 延長は午後8時まで。6月5日と、来年1月の毎週水曜(元日を除く)にも設ける。

 集落保存財団の中島仁司事務局長は「住民のプライバシーに配慮し、ルールの範囲内で撮影してもらえるなら、来年度は他の時期の実施を提案することも検討したい」と話した。

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