能登半島地震の影響で停止していたスギヨ(七尾市)の北陸工場は31日、約5カ月ぶりに生産を再開した。主力商品の「ビタミンちくわ」から製造が始まり、生産ラインにちくわが並ぶと、従業員はほっとした表情を浮かべた。これで被災した市内の3工場全てが再開した。
北陸工場では地震で天井が落下し、水やガスの配管が破損するなどの被害を受け、修繕を進めていた。初日はビタミンちくわ約10万本を作り、1日に長野県や北陸の小売店に並ぶ。飲食店や給食用ちくわの生産も順次始める。
古川竜太朗工場長(45)は「やっと全国にちくわを届けられる日が来てうれしい。被災した中で再開へ努力してくれた従業員に感謝したい」と話した。
北陸工場にある「加賀揚」や「うな蒲(かま)ちゃん」の製造設備は工事が続いており、1カ月後の再開を目指す。北陸工場のほか、カニカマの商業団地工場は2月末、グループ会社「能登半島」の工場は3月上旬に生産を一部再開した。