福井県福井市の日本画家、岩堀葉さんの個展「見えるわたしと見えないあなた」が、福井市のふくい工芸舎で開かれている。さまざまな画材を用い、画面を立体的に造形した抽象画などを披露。日常の思いや感情を表現している。6月16日まで。
伝統的な日本画から現代アートのインスタレーションまで、幅広く創作する岩堀さん。新作を中心に約80点を展示した個展には、ネコやチョウの日本画と一緒に、うごめくような画面の抽象画が並ぶ。
黒く塗り込めた「中に光るモノ」は、盛り上げた画面の割れ目が金色に塗られ、光が漏れ出すよう。重曹などに絵の具を混ぜたペーストを盛り付け、平面を立体化していく。一つの絵にも岩絵の具、胡粉(ごふん)、アクリル、ジェッソなど異なる画材を使い、多様な絵肌を生んでいる。
「妻だったり、母だったり、嫁だったり。いろんな自分が人と関わり、いろんな感情が出てくる」と岩堀さん。平面からはみだしてくる色と形が、さまざまな物語を想像させる。