「一瞬の気持ちとか思いとか、見る人それぞれに感じてほしい」と話す岩堀さん=5月31日、福井県福井市のふくい工芸舎

「一瞬の気持ちとか思いとか、見る人それぞれに感じてほしい」と話す岩堀さん=5月31日、福井県福井市のふくい工芸舎

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日々の感情、抽象画に 日本画家・岩堀葉さん、福井で個展

福井新聞(2024年6月5日)

 福井県福井市の日本画家、岩堀葉さんの個展「見えるわたしと見えないあなた」が、福井市のふくい工芸舎で開かれている。さまざまな画材を用い、画面を立体的に造形した抽象画などを披露。日常の思いや感情を表現している。6月16日まで。

 伝統的な日本画から現代アートのインスタレーションまで、幅広く創作する岩堀さん。新作を中心に約80点を展示した個展には、ネコやチョウの日本画と一緒に、うごめくような画面の抽象画が並ぶ。

 黒く塗り込めた「中に光るモノ」は、盛り上げた画面の割れ目が金色に塗られ、光が漏れ出すよう。重曹などに絵の具を混ぜたペーストを盛り付け、平面を立体化していく。一つの絵にも岩絵の具、胡粉(ごふん)、アクリル、ジェッソなど異なる画材を使い、多様な絵肌を生んでいる。

 「妻だったり、母だったり、嫁だったり。いろんな自分が人と関わり、いろんな感情が出てくる」と岩堀さん。平面からはみだしてくる色と形が、さまざまな物語を想像させる。

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