金沢市の「山城マイスター」養成講座に参加した金沢学院大、金大の学生4人が、金沢、小矢部両市にまたがる国史跡松根城跡の探訪マップを完成させた。戦国時代の「加越国境の戦い」で加賀・前田利家軍の進撃に対抗した鉄壁の守りを紹介し、モデルコースや城跡で見られる植物や昆虫なども掲載した。学生たちは「山城の魅力を感じてほしい」とマップを携帯した散策を呼び掛けている。
マップを作ったのは金沢学院大3年の竹田遥陽さん(20)、三谷悠人さん(20)、村田歩夢さん(21)、金大2年の井上椋太さん(19)。歴史好きの4人は、昨年度の養成講座で松根城跡に3回足を運んだ。
マップでは、街道の小原越が通る尾根を断ち切るように山を掘削し、敵の侵入を防いだ堀「大堀切(おおほりきり)」に触れた。堀の底には横の移動を妨げる土塁があったことが発掘調査で判明しており、マップでは強固な城の守りを解説している。
マツやコナラ、ヨモギの花粉のほか、馬のふんに生息する昆虫の化石が見つかっており、松根城に馬がいた可能性に触れている。城の中心となる「主郭(しゅかく)」など9種類の構造物や、20分、1時間、1時間20分の巡回コースも紹介した。
4人は5月、市役所で村山卓市長から「山城マイスター」の認定書を受け取った。村田さんは「松根城跡では、たくさんの生き物と出合うことができる」と話した。三谷さんは城跡の好きなスポットとして、標高が高く天下人気分を味わえるという主郭を挙げ「観光客目線でコースを作った。マップを使って歴史のロマンを肌で感じてほしい」と語った。
マップは市役所や市埋蔵文化財センターなどで入手できる。