茶道具の文様に焦点を当てた企画展「茶道具で楽しむ日本の文様」が、福井市愛宕坂茶道美術館で開かれている。菊や格子などの文様が施された16~20世紀の茶器や茶わん、掛け軸など23点を集め、長寿や繁栄といった文様が持つ意味もパネルで解説している。9月1日まで。
「植物」「動物」「景色や風物」「連続・幾何学的な文様」の四つのコーナーに分けて展示している。
植物のコーナーでは、菊の文様が彫られた朱色の漆塗りの香合(19世紀)など9点を展示。菊は古くから中国で薬草として使われ、花が咲く期間も長いため延命長寿の力があると紹介している。このほか、江戸時代中期の絵師、伊藤若冲の梅図の掛け軸なども目を引く。
連続・幾何学的な文様のコーナでは、格子文様の陶器(桃山時代)など3点を並べた。格子は上下左右に途切れることなく終わりのない文様とされ、永遠に続く繁栄の意味を持つという。格子の中に邪気を閉じ込めるともいわれ、魔よけの意味もある。
学芸員は「茶道具の文様の意味が分かると、茶席の趣向が理解でき、楽しみが広がる」と話している。
7月14日、8月25日の両日午後2時から展示解説がある。観覧料100円。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。問い合わせは同館=電話0776(33)3933。