小松市のサイエンスヒルズこまつで開催中の第80回現代美術展小松展(一般財団法人県美術文化協会、北國新聞社、小松市など主催)は29日、ギャラリートークが行われ、写真、彫刻、日本画3部門の出品作家が解説した。来場者は意欲作に込められた地元作家の洗練された技や情熱に触れ、会場を彩る秀作群とじっくり向き合った。
写真の中川宏治さん、彫刻の渡部順子さん、日本画の古澤洋子さんが解説した。古澤さんは能登半島地震に触れ「制作の手を止めない精神力に感動した。能登に思いを寄せた特別な展覧会になっていると思う」と述べた。日本画「秋を解く」で美術文化委嘱賞を受けた松永敏さん(同市)は「アジサイが立ち枯れていく長い時間を一つの絵に閉じ込めたかった」と自身の作品の思いを伝えた。
地元作家作品展「エール(応援)」が同時開催されている市観光交流センター「Komatsu九(コマツナイン)」には宮橋勝栄市長が訪れ、小松美術作家協会員が寄せた16点を鑑賞。「小松だけの独自の展示なので、多くの人に見てもらいたい」と期待した。
30日も午前9時半から洋画、書、工芸の解説が行われる。サイエンスヒルズこまつでは市内中高生の32作品も飾られている。会期は7月7日まで。入場料は一般500円、高校生以下無料。