氷室小屋から雪氷を切り出す協会員

氷室小屋から雪氷を切り出す協会員

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氷室開き、雪は小屋に半分  雨中、300人が見物

北國新聞(2024年7月1日)

  ●金沢・湯涌温泉、手触り楽しむ
 7月1日の「氷室の日」を前に金沢市の湯涌温泉で30日、夏の風物詩「氷室開き」が行われた。あいにくの雨と能登半島地震の影響で見物客の減少が懸念されたものの、約300人が傘を手に氷室小屋周辺に詰め掛けた。家族連れが切り出された雪氷に触れて涼を感じ、藩政期の風情に浸った。

 幅4メートル、奥行き6メートル、深さ2・5メートルの氷室小屋に、今年は半分ほどの雪が残った。昨年は底の一部が見えるほど少なかっただけに、小屋が開けられると、住民や観光客が「今年はいっぱい残っとる」「涼しい」と歓声を上げた。

 雪氷は白装束を着た湯涌温泉観光協会員によってのこぎりで切り出され、見物客が触れて楽しんだ。初めて見物したという川田嘉一郎さん(72)=玉鉾2丁目=は「手触りがざらざらして、白山の雪渓みたい」と笑顔。孫の田口暖さん(11)は「固くて冷たかった。溶けないのが不思議」と声を弾ませた。

 式典では宇野一也湯涌温泉観光協会長があいさつし、村山卓市長と小森卓郎衆院議員が祝辞を述べた。県トラック協会青年部会員は、幕府に献上するため雪氷を運んだ藩政期の加賀飛脚を再現。雪氷を詰めた長持を担ぎ、約17キロ離れた金沢駅まで運んだ。雪氷は加賀藩の屋敷があった東京都板橋区、文京区、目黒区にも贈られる。

 氷室開きは冬場に氷室小屋に貯蔵した雪を夏に将軍家に贈った加賀藩の習わしにちなみ、氷室の日を前に湯涌温泉観光協会が実施している。

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