福井県福井市出身で漢字研究の第一人者、故白川静さんが確立した白川文字学をテーマにした講演会が6月29日、福井市の県立図書館で開かれた。越前市ゆかりの紫式部を主人公とするNHK大河ドラマ「光る君へ」の題字を手がけた書家の根本知(さとし)さんが講師を務め、漢字の成り立ちを解き明かした白川さんの研究に対する姿勢を創作の参考にしていると語った。
根本さんは、自身の研究室に白川さんの字書3部作「字統」「字訓」「字通」を置いていると紹介。「光る君へ」では書道指導も担当しており、「大河ドラマの仕事に臨む時も何のために書くのか、日本の書の良さなどを深く考えた。白川さんの姿勢を意識して、考えるということを行っている」と話した。
講演会は、白川文字学に関心を高めてもらおうと県が企画し、約100人が聴講した。