6日に開幕する奈良国立博物館展「まるごと奈良博」を前に、3日、会場となる金沢市の石川県立美術館で仏像と工芸の展示作業が始まり、国宝「薬師如来(やくしにょらい)坐像(ざぞう)」が姿を現した。
薬師如来坐像は、国立博物館の所蔵品では唯一の国宝で、平安時代の9世紀、カヤの一材を彫り出して造られた。彫りの深い顔立ちや衣の表現が見どころとなる。
展示指導に当たった奈良国立博物館の岩井共二学芸部美術室長は「背中側の衣の表現など、美術館だからこそ見られる仏さまの姿かたちを焼き付けてほしい」と話した。
同展は「ポスト国民文化祭」の目玉事業で、国宝8点、重文93点を含む計205点が並ぶ。県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催し、会期は前期6~28日、後期31日~8月25日となる。