第19回日展福井県作家会展(同会、福井新聞社主催)が7月6日、福井新聞社・風の森ギャラリー、プレス21、エントランスホールで始まった。書、工芸美術、日本画、洋画で日展入賞歴がある県内作家57人の作品が1点ずつ並び、会場を美で彩っている。7月14日まで。
書は40人が出品し、楷書や行書、草書、篆刻(てんこく)など多彩な表現が楽しめる。田村さんの「彰嘉瑞(しょうかずい)」は、めでたいことが起こる予兆を意味し、力強く流れる筆致で迫力を感じさせる。勝山さんは泉鏡花の随筆「麻を刈る」を題材に、武生(現越前市)から峠道を通り敦賀に向かう道のりを書いた一節をしたためた。
山道さんの陶芸「兆し」は、土の生命力やおおらかさを表現。日本画の菅原さんの「おもう」は、物思いにふける女性を淡い色使いで描き、来場者の目を引いていた。
ギャラリートークもあり、今村会長らが作品の見どころなどを解説した。例年楽しみにしているという福井市の男性は「書が趣味なので、筆の運び方や濃淡のバランスが勉強になる。どの作品も見応えがあった」と話した。
展示は午前10時~午後6時(14日は午後5時まで)。特別価格で作品を販売するチャリティーコーナーもあり、収益の一部を能登半島地震の復興に役立てる。