「毘沙門天立像」にカメラを向ける来場者=金沢市の石川県立美術館

「毘沙門天立像」にカメラを向ける来場者=金沢市の石川県立美術館

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好評、まるごと撮影OK 仏様パシャリ、後でじっくり

北國新聞(2024年7月10日)

  ●まるごと奈良博・県立美術館

 金沢市の石川県立美術館で開催されている奈良国立博物館展「まるごと奈良博」では、国宝を含む全展示品を写真撮影することができる。9日も「家族に見せたい」「SNSにアップする」と、カメラやスマホをガラスケースに向ける人の姿が見られた。来場後に作品をじっくりと見返したり、友人らと感動を共有したりするのも楽しみ方の一つとなっている。

 金沢市のデイケア施設職員向口欣則さん(59)は利用者ら7人と会場を訪れた。向口さんは国宝「薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)」をデジカメで撮影し、「施設から来られなかった人にも写真で見せてあげたい」と笑顔で語った。

 東京都台東区の自営業佐藤正行さん(69)は、修行を怠る者にくぎを刺して懲らしめる「伽藍神(がらんしん)立像」に興味を持ち、「こんな面白い像は初めて見た。帰ってからも写真で眺めたい」と満足そうに話した。

 勇ましい「毘沙門天(びしゃもんてん)立像」にカメラを向けていたのは中国・杭州から旅行で訪れた大学教員の鐘毅(しょうき)さん(31)。「撮影できてラッキーだった。分からなかった解説はあとからじっくり調べる」と語った。

 会場では、鑑賞の妨げとなるフラッシュ撮影や動画撮影、作品との記念撮影は禁止している。

 奈良博展は「ポスト国民文化祭」の目玉事業として県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催し、国宝8点、重要文化財93点を含む計205点が展示される。前期は28日まで、後期は31日~8月25日に開かれる。入場料は一般1500円、大学生千円、高校生800円、小中学生500円。

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