飯田市追手町の市美術博物館敷地内にある「長姫のエドヒガン」は、県天然記念物の名木。飯田城主代々の家老、安富(やすとみ)氏の邸跡近くにあったことから「安富桜」の名称で親しまれる。夜間はライトアップされ、幻想的な姿を市街地に浮かび上がらせている。
高さ約20メートル、幹回りは約6・4メートル。均整のとれた樹形に風格があり、日中はスケッチに訪れる人の姿も目にする。同館によると、今年は3月28日に開花し、4月1日に満開になった。
ライトアップは午後6時半から同9時半ごろまで。葉桜になるまで続く。両親を連れて訪れた近くの吉田政司さん(66)は、樹齢450年とされる枝ぶりをゆっくり楽しみ、「長い歴史を刻んだ地域の誇りだと思う」と話した。