標高約2600メートルの中央アルプス千畳敷では、駆け足で秋が深まっている。晴れ渡った30日朝、ダケカンバの黄とナナカマドの赤、ハイマツの緑が、雲一つない青空と白い岩肌に映え、訪れた観光客を迎えていた。
今年は雪解けや花の開花が早く、紅葉も例年より1週間ほど早い9月中旬に色づき始めた。ホテル千畳敷によると、台風や長雨が続き、日照不足もあって「色づきはいまひとつ」。例年はカール一帯が鮮やかな赤と黄に染まるが、「寒暖差が少なく赤が出なかった」という。
紅葉と山歩きを楽しみに、水戸市から車で5時間かけて訪れた福田保さん(68)、光子さん(62)夫妻は「期待して来たので、葉も落ち始めていて少しがっかり。でも秋晴れの青空の下に広がった雄大な景色に感動しました」。
紅葉は日に日に、千畳敷に通じる「駒ケ岳ロープウェイ」のしらび平駅(標高1662メートル)へと下っていく。