石川県無形民俗文化財「御陣乗(ごじんじょ)太鼓」発祥の地である輪島市名舟(なふね)町の名舟大祭は31日始まった。夜叉(やしゃ)や幽霊の面をかぶった男衆が奉納打ちを披露し、かがり火の火の粉が舞う中、気迫のこもった響きをとどろかせた。
午後10時すぎ、奥津姫(おくつひめ)神社前の舞台に大勢の観衆が集まった。男衆はにらみを利かせながら、時折奇声を発して太鼓を打ち鳴らした。
御陣乗太鼓は1576(天正4)年、越後の戦国武将上杉謙信の軍勢が攻め込んだ際、村人が木の皮の面を着け、海藻を頭に載せて太鼓をたたき、追い払ったと伝わる。
奉納打ちに先立ち、キリコに先導された神輿(みこし)が船に載せられて沖合の鳥居まで進む海上渡御が営まれた。祭りは1日まで。