氷見で多くの歌を残した歌人、大伴家持の生誕1300年を記念する「HIMI万葉フェスティバル・イン布勢水海(ふせのみずうみ)」が10日、氷見市十二町潟水郷公園で開かれ、万葉歌の朗唱やコンサートなど多彩なイベントを通して地域の歴史に親しんだ。
家持は越中国守在任中に氷見を度々訪れ、14首の歌を詠んでいる。初めて訪れたは747(天平19)年6月10日(旧暦4月24日)で、布勢水海(現在の十二町潟)で舟遊びを楽しんだ。
フェスティバルでは、林正之市長と嶋田茂市議会議長のあいさつに続き、地元のマヤ保育園児が当時の布勢水海の情景を伝える歌を元気よく読み上げた。速川、海峰両放課後子ども教室の児童が、紙芝居で家持の巡行などの場面を紹介した。
家持の歌を英訳と共に紹介したほか、朝日丘小学校の児童による「越中三賦」の朗唱、ミニコンサートもあった。高岡市万葉歴史館の関隆司主幹研究員が、家持と万葉集について解説した。
午後からは、射水市出身で氷見市にもゆかりのあるテノール歌手、澤武紀行さんらが万葉風の衣装で登場。楽しいトークも交えながら、家持の長歌を基に自身で作曲した「布勢水海に遊覧する賦」を高らかに歌い上げた。舟に乗って十二町潟を遊覧し、家持の気分を味わうイベントやクイズ大会もあった。