土蔵造りの建物が並ぶ高岡市の山町筋を舞台にした「第20回高岡山町筋土蔵造りフェスタ」が25日、始まった。来場者は町並みの風情を味わいながら散策し、美術工芸展や音楽ライブなど多彩なイベントを楽しんだ。26日まで。
草月流師範、岩城正子さん宅(高岡市守山町)では生け花とパッチワーク展を開催。ライトアップされた富山銀行本店(同)の前では、生田流箏曲正絃社大師範で北日本新聞カルチャーパーク高岡講師を務める箏曲家の太田衣代さんが生演奏を披露した。
同市の醸造所「Lattice work」は、喫茶店「山町茶屋」(同市木舟町)で金屋町をイメージして作ったクラフトビール「金屋エール」を数量限定で販売した。商業施設「山町ヴァレー」(同)では、同施設にある飲食店「クラフタン」と富山大芸術文化学部の学生有志による共同提案メニューの試食会もあり、にぎやかな夏祭りの雰囲気が漂っていた。
26日は午前11時から始まる。午後4時からは、市土蔵造りのまち資料館(同市小馬出町)で室崎琴月ミニコンサートを開催する。午後5~9時は歩行者天国となる。土蔵造りのある山町筋まちづくり協議会主催、北日本新聞社共催。
■ねじめさん講演
詩人で直木賞作家のねじめ正一さんを招いた講演会は25日、高岡市守山町の高岡御車山(みくるまやま)会館であり、ねじめさんが著書「認知の母にキッスされ」に込めた思いを語った。
同書では、認知症を患った母親とねじめさんの会話がユーモラスにつづられている。ねじめさんは母親から「正一はパソコンかい?パソコン電車になって走り出すんだ」と話し掛けられたエピソードを紹介。妄想だと分かりながらも「『俺はパソコンだよ』と話し、一緒にパソコン電車に乗ることした」などと愛嬌(あいきょう)あふれるやりとりを語った。
第20回山町筋土蔵造りフェスタに合わせ開催。ねじめさんが選者を務める「高岡山町・ポエム大賞」は、9月20日まで作品を募集している。