福井県高浜町出身で禅を世界に広めた高僧、釈宗演(しゃくそうえん)の功績を広めようと活動する住民有志団体「釈宗演を顕彰する会」が28日、町内で、没100年目の記念行事を実施する。顕彰碑の除幕式や講演会、トークショーなどを行う。同会は今回の記念行事を節目の一大イベントと位置づけており、伊藤彰会長は「講演などを通して釈宗演のすごさを知ってほしい」と参加を呼び掛けている。
宗演は1859年、高浜町若宮生まれ。92年に円覚寺派の管長に就任、93年には米シカゴで開かれた第1回万国宗教会議に出席し、初めて仏教を説いて「ZEN」が世界に広がるきっかけをつくった。
同会は郷土の偉人の功績を広めようと、2016年に結成。足かけ2年、小学校での授業やパンフレット制作、町内でのPR看板の設置、また生誕地に略歴碑を設けるなど数々の活動を展開してきた。今回の記念行事は顕彰活動の一つの節目として開催する。午後1時半~同4時で、同1時半からは高浜公民館横に設置した顕彰碑の除幕式を行う。
同2時からは町文化会館に場所を移して顕彰式を実施。これまでの顕彰事業を報告するほか、「釈宗演と明治」の著者で福井市の作家中島美千代さんと、漫画「ZEN 釈宗演」を発刊した鯖江市出身の漫画家高島正嗣さんによるトークショーがある。同2時50分からは、臨済宗円覚寺派の横田南嶺管長が「釈宗演老師を慕いて」をテーマに講演する。
入場無料。問い合わせは同会事務局=電話0770(72)1353。
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高浜町出身で禅を世界に広めた高僧、釈宗演とゆかりのある史料を紹介する企画展が、同町郷土資料館で開かれている。同館が所蔵する宗演の墨書など18点を展示している。28日まで
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企画展は、今年が宗演の死没100年目となることから開催。幕末明治福井150年博の一環でもある。
87年、宗演がセイロン(現スリランカ)へ修行に行く船中で書いた「舟中書感」からは、セイロンでの修行の日々への期待がうかがえる。また、宗演自らが絵を描いたと思われる「不二山図」なども並んでいる。
同館の寺下千代美学芸員は「郷土の偉人を多くの町民に知ってもらいたい。そして展示品を見て、理解を深めてもらえたら」と話している。