古代エジプト文明と気候変動の関わりなどについて紹介する福井県年縞博物館の特別企画展「古代エジプト文明-気候変動と水辺の民」が8月1日、福井県若狭町鳥浜の同館などで開幕する。ツタンカーメン王のマスクの複製品のほか、工芸品やつぼなどの出土品約120点が展示される。
さまざまな時代の気候変動と暮らしに興味を持ってもらおうと企画。同館と、隣接する町若狭三方縄文博物館で展示する。
エジプト文明はナイル川の緑地帯などで、紀元前3050年ごろに始まったとされる。湿潤と乾燥の気候変動が繰り返される中で、王朝社会や祭礼、信仰などの文化が発展した。王朝が複数回崩壊しているが、紀元前2000年ごろの崩壊は、気候が乾燥しナイル川の水位が下がったことが影響したと考えられている。
展示では、気候変動と王朝の盛衰をグラフで示しているほか、紀元前約3000年から紀元前後までの出土品が並ぶ。最も栄えた時期の王であるツタンカーメンの黄金のマスクの複製品や、死者と一緒に埋葬された人型の工芸品、牛の頭部を持つ男神像などが目を引く。
展示は9月30日まで。8月中は両館とも休まず開館する。
7月30日に報道陣に事前公開され、県年縞博物館の学芸員は「出土品の質感や大きさを見て、古代エジプト人の暮らしを想像してほしい。気候と古代文明の関わりを知り、気候変動の歴史を記録している年縞に興味を持つきっかけにしてもらいたい」と話していた。