福井県敦賀市相生町の旧西町通りで1月19日に国指定重要無形民俗文化財「夷子大黒綱引き」が行われるのを前に12日、綱引きに用いる大綱作りが区内の作業場で行われた。伝承協議会の男衆が力を込めてわらを編み、極太の綱を完成させた。
綱引きは旧西町に約400年伝わる伝統行事。夷子方と大黒方で引き合い、夷子方が勝つと豊漁、大黒方なら豊作とされる。
午前8時ごろから伝承協議会員ら約30人が作業場で綱作りを開始。「練って練って、回って回って、よいよい」との独特な掛け声に合わせ、麻のロープを芯に、わらを束ねた綱3本を隙間ができないように巻き付けていった。約8時間掛け、長さ約50メートル、太さ約30センチ、重さ約500キロの大綱を作り上げた。
伝承協議会の木下章会長(75)は「綱引きはこの地域に長く伝承されている大切な文化の一つ。住民以外も自由に参加できるので、ぜひ多くの人に足を運んでもらいたい」と話していた。
19日は午後0時半から、区内の夷子大黒会館で神事が営まれる。午後3時から夷子と大黒の二つの神が通りを練り歩き、その後綱引きが行われる。