釣り鐘メーカーの老子製作所(高岡市戸出栄町)と若鶴酒造(砺波市三郎丸)、県産業技術研究開発センターが共同開発した高岡銅器のウイスキー蒸留器が、本年度の「素形材産業技術表彰」で最高賞の経済産業大臣賞に選ばれた。県内企業の最高賞受賞は初めて。
受賞したのは、釣り鐘を造る技術を応用した世界初の鋳造製蒸留器「ZEMON(ゼモン)」。銅板を溶接する通常の蒸留器に比べて短期間に低価格で製作でき、耐久性や省エネルギー性能に優れる。純銅ではなく、スズとの合金を使ったことで酒質が良くなる効果も確認されている。
表彰は素形材センター(東京)が主催。本年度はZEMONを含めて30件の応募があり、8件が受賞した。老子製作所の元井秀治会長は「受賞を励みに、高岡銅器の新たな可能性を探り続けたい」と話した。