福井県勝山市は今春、九頭竜川弁天河原で約30年実施してきたこいのぼりの設置事業を休止する。設備が老朽化したことが理由。桜の季節の風物詩として定着している事業の中断を惜しむ声もあり、市は2022年以降の対応を検討する。
こいのぼりの設置は1991年に始まった。市民らから寄付された約100匹のこいのぼりを、例年4月上旬~5月中旬に九頭竜川を横断するワイヤにつるしている。弁天河原は市内有数の桜の名所で、満開の時期にはこいのぼりと桜の共演を楽しむ人たちでにぎわう。
市によると、今春の実施を検討する中で、ワイヤを張る際に用いるコンクリート製の3本の支柱が老朽化していることが分かった。市は危険性があるため更新が必要と判断し、ひとまず実施を見送ることにした。こうした状況に、市会などからも「さみしい」「なんとかならないか」との意見が出ているという。市は「設備だけでなく、こいのぼり自体も古くなっている。こいのぼりの更新なども含め、今後検討したい」としている。
今春の花見シーズンの市内イベントではこのほか、弁天河原の地元3区で実施している「弁天桜まつり」がコロナ禍の影響で中止となった。