戦前の福井県嶺南6市町の名所や街並みを題材とした絵はがきを紹介するパネル展「若狭路の戦前絵葉書(えはがき)」が小浜市の県立若狭図書学習センターで開かれている。8月まで2回に分け展示し、「陸の若狭路風景」がテーマの第1弾は、戦争による空襲で焼失した駅舎や金属供出で失われた銅像などの写真48点が並ぶ。7月21日まで。
県文書館が同センター、県立図書館、県立こども歴史文化館が所蔵する絵はがき計1046点をインターネットで公開したのを機に開いた。
戦前の敦賀市から高浜町までの街の様子や風景を描いた白黒の絵はがきや、実際の色合いを忠実に再現した手彩色の絵はがきを拡大し、パネルに貼って展示している。1945年の敦賀空襲で焼失した敦賀停車場(現在のJR敦賀駅)を描いたものもある。気比神宮の近くにあった駅舎からの移転・新築を記念して作られた絵はがきで、当時は北陸線の中でも立派だった木造の建物が描かれている。
戦時中に供出され、現在は残っていない小浜公園の正座する梅田雲浜像や、戦後の宅地化により姿を消した小浜城址(じょうし)の内堀の田んぼや畑の写真などもあり、時代の流れを感じられる。
同センターの担当者は「今は見られなくなっている物や風景と、現在との違いを楽しんでほしい」と話していた。
午前9時~午後7時(土日祝日は午後6時まで)。月曜休館。第2弾は22日~8月31日まで、「海の若狭路風景」をテーマに約60点を並べる。