蜃気楼の発生で生地海岸に出現した∞マーク(24日午前6時半ごろ早月川河口右岸から撮影、山下麻衣+小林直人「infinity~mirage」2021年、画像提供:魚津埋没林博物館)

蜃気楼の発生で生地海岸に出現した∞マーク(24日午前6時半ごろ早月川河口右岸から撮影、山下麻衣+小林直人「infinity~mirage」2021年、画像提供:魚津埋没林博物館)

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蜃気楼が生む壮大アート 生地海岸に「∞」出現

北日本新聞(2021年9月25日)

 富山県黒部市の生地海岸に「∞(無限)」マークが出現-。海辺に設置された「m」字型のアート作品が、蜃気楼(しんきろう)によって反転し、魚津市から「∞」マークに見えた。魚津埋没林博物館が確認し撮影した。黒部市美術館の企画展「蜃気楼か。」(9月25日開幕)の作品の一つで、会期末の12月19日までの間、条件が整えば自然とコラボレーションした壮大なアートを楽しめる。

 千葉市を拠点に活動するアーティストユニット「山下麻衣+小林直人」が、県内初の個展となる「蜃気楼か。」に合わせ、構想期間を含め1年かけて制作した。作品名は「infinity~mirage(インフィニティ・ミラージュ)」。9月20日、生地海岸堤防にオレンジ色の看板(高さ2・3メートル、幅14・1メートル)を貼り付け、下側に反転する下位蜃気楼によって、∞マークが浮かび上がるタイミングを待っていた。

 企画展に協力している魚津埋没林博物館が観測を続ける中、個展開幕前日の24日午前6時半ごろ、早月川河口や海の駅蜃気楼から∞マークの撮影に成功した。下位蜃気楼は秋から冬にかけて見える日が増えるため、今後も∞マークが出現する可能性は大いにあるという。

 山下さんと小林さんは「おぼろげで不確かなものは、時に人に恐れを抱かせる。しかし見方を変えれば楽しめる。不確実な世界を生きる上で、何かを考えるきっかけになればいい」と話した。

 会期中は望遠カメラで生地海岸を撮影し続け、その映像を展示会場でライブ中継するほか、特設サイト(http://mirage.yamashita-kobayashi.com)でも同じ映像を公開する。このサイトでは∞マークを撮った写真のSNSへの投稿を募っている。企画展は北日本新聞社共催。

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