三方五湖で継承されてきた伝統漁法を紹介するテーマ展の準備を進める学芸員=12月17日、福井県小浜市の県立若狭歴史博物館

三方五湖で継承されてきた伝統漁法を紹介するテーマ展の準備を進める学芸員=12月17日、福井県小浜市の県立若狭歴史博物館

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三方五湖の伝統漁法に光 漁具など展示、福井県立若狭歴史博物館

福井新聞(2021年12月20日)

 福井県の美浜、若狭両町にまたがる三方五湖で継承されてきた伝統漁法を紹介するテーマ展「ちょっとむかしのくらし展~三方五湖の漁業編~」が12月18日、小浜市の県立若狭歴史博物館で始まった。「たたき網漁」など現代でも続く伝統漁法のほか、今では行われなくなったワカサギ漁などの漁具など計40点以上を展示している。来年3月13日まで。

 三方湖、水月湖、菅湖、久々子湖、日向湖からなる三方五湖では、塩分濃度や水深など五湖それぞれの特徴に対応した伝統漁法が400年以上継承されている。2019年には、将来に受け継がれるべき伝統的な農法や農村文化として三方五湖地域が農水省の「日本農業遺産」に県内で初めて認定された。

 展示では10の漁法を漁具や写真パネルで紹介している。

 2000年ごろまで三方湖のもんどり漁で使われたコイやフナが通る湖の岸辺に仕掛ける円筒状の網籠「もんどり」や、1980年ごろまで三方・水月・菅湖のワカサギ漁で使われた刺し網など、市場での魚の売れ行きや漁獲量の減少により使用されなくなった漁具を展示。当時の漁業の様子をうかがい知ることができる。

 現代でも続く漁では、狭い場所に入り込むウナギの習性を利用し、節を抜いた長さ120センチほどの竹やパイプを湖底に沈める「筒漁」、水温が低下する冬に動きが鈍った魚を竹ざおなどで湖面をたたいて驚かせ、さし網に追い込む「たたき網漁」などを紹介している。

 午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。一般310円、高校生以下、70歳以上は無料。19日、1月30日、2月6日は学芸員による展示解説がある。会期中の土・日・祝日は県年縞(ねんこう)博物館(若狭町)内の「cafe縞」で、たたき網漁で取れたフナを使った「フナバーガー」(1個千円)を販売する。

 会期中27~1月2日、11、24日、2月14、28日休館。問い合わせは県立若狭歴史博物館=電話0770(56)0525。

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