1月に墜落事故が起きた航空自衛隊小松基地のF15戦闘機などを捉えた写真展(北國新聞社後援)が17日、小松市芦城センターで始まった。北國写真連盟小松・能美支部会員の宮下雅人さん(71)=能美市上開発町=の作品で、トラ柄が特徴の機体は事故前の昨年12月に撮影。作品名は「防人(さきもり)たちの帰還」とし、在りし日の勇姿を焼き付けた写真に鎮魂の願いを込めた。
●21年から準備
宮下さんは昨年12月から、今回の個展開催に向け準備を進めてきた。トラ柄の機体の写真は、同月中旬の昼間、小松基地に着陸する姿を小松市内でカメラに収めた。空自機の写真を数多く撮影してきた宮下さんは「そのときはまさか1月に事故が起きるなんて思いもしなかった」と話した。
操縦していた飛行教導群の司令、田中公司1等空佐(52)と同群の植田竜生1等空尉(33)はいずれも遺体が確認された。トラ柄の機体を再び撮影することはかなわなくなったが、宮下さんは「何より操縦士には生きていてほしかった」と語り、事故原因の解明を願った。
写真展には、田中1佐がかつて隊長を務めた空自のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」や、小松基地に配備予定の最新鋭ステルス戦闘機F35Aを捉えた作品も飾られた。