5日開幕する長野市の善光寺御開帳のシンボル「回向(えこう)柱」の建立式が3日、本堂前で行われた。大勧進、大本願をはじめ一山の住職らと大勢の参拝者が見守る中、職人たちが江戸時代の本堂再建にも使われたという古式の工法を披露。さらしに巻かれた長さ10メートル、45センチ角の巨材が人力だけで徐々に立ち上がっていった。
回向柱は、慣例により同市松代町の住民らでつくる「善光寺回向柱寄進建立会」が奉納した杉材が使われている。
午後1時すぎ、善光寺木遣(きや)り保存会の木遣り歌が高らかに響く中、山門隣の仮設テントから大香炉前へ。同保存会と善光寺の職人衆合わせて80人が協力し、長丸太2本を逆V字に組んだ「せみざお」を支点に、回向柱に掛けたワイヤを木製ウインチ「神楽桟(さん)」で少しずつ巻き上げた。
回向柱は4日の開眼法要で本堂内の前立(まえだち)本尊と「善の綱」で結ばれ、さらしが取り払われる。