諏訪市の画家原田泰治さん(75)が1975(昭和50)年に出版した絵本「さだおばさん」の原画20点を紹介する企画展は、6年ぶりに市原田泰治美術館(渋崎)で開いている。物語の世界を表現した模型も展示。ぬくもりと懐かしさが伝わる作品に来場者が見入っている。
「さだおばさん」は、木曽地方の森林鉄道を舞台に「さだおばさん」と住民の触れ合いを描いた物語。原田さんは現地を取材するとともに、飯田市で過ごした幼少期の経験も交えながら仕上げた。模型は約1メートル四方の大きさ。木曽地方の春夏秋冬の風景の中を鉄道模型が走っている。
原田さんは「40年前に作った話だが、住民がみんなでお年寄りを大切にする内容は現代にも通じると思う。子どもからお年寄りまで見に来てほしい」と期待している。9月23日まで。
館は4月から指定管理者として広告代理店の共立プラニング(長野市)が運営。「新たな気持ちで原田さんの作品の原点を見詰めたい」と企画した。