長野県諏訪市の諏訪湖畔にある宿泊施設「RAKO華乃井ホテル」は、併設するウエディングチャペルを貸し出す事業を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大以降、挙式で使われる機会が少なくなったチャペルの有効活用を図る。既に富士見町の企業と賃貸契約を結んでおり、企業が施設を改修してエステサロンの営業を始めている。
長野県諏訪郡富士見町の企業は、エステサロン経営の「Ttirra&Co(ティラ・アンド・コー)」。インド・スリランカ式の施術を取り入れたエステサロン「dolce effect(ドルチェ・エフェクト)」として昨年12月に開店した。
チャペルは1998年に建設され、面積は約110平方メートル。建物はれんがで覆われている。エステサロンの店長、伏見あすかさんは「かつて結婚式を挙げた人などにも懐かしんでほしい」と話す。当時の雰囲気が残るよう、改修は最低限にとどめ、チャペルの外観や内装などは維持したという。
ホテルはビジネスやワーケーション(旅先での仕事と休暇の両立)で利用する宿泊客もいるとし、そうした宿泊客によるエステサロン利用も想定。「仕事で疲れた人にも気軽に使ってほしい」(伏見さん)としている。
ホテルによると、チャペルの利用は新型コロナ流行前から徐々に減り、新型コロナの影響でほぼなくなった。社長の白鳥和美さんは「チャペルの空間や雰囲気、思い出を壊さない形で使ってほしいと考えていた。かつて挙式した人にも納得してもらえる形になった」と話す。