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御柱祭上社山出しと高遠の桜 「重ならないで」やきもき

信濃毎日新聞(2015年11月3日)

 高遠の桜はいつ咲く? 2日で本番まで5カ月となった諏訪大社御柱祭で、茅野市などの関係者が伊那市高遠城址(じょうし)公園の桜の開花時期に気をもんでいる。関東の花見客の多くが中央道から茅野市・伊那市境の杖突峠を通って同公園に向かうため、来年4月2〜4日の上社山出しと重なると、御柱の曳行(えいこう)路周辺で大渋滞が起きかねない。担当者からは「開花がずれれば一番いいが...」との本音も漏れる。

 伊那市観光課などによると、高遠の桜は直近10年のうち7年が4月10日までに開花、2013年には4月1日に開花した。天候にもよるが、開花中の人出は毎年20万人前後。関東からバスや自家用車で訪れる人の多くは、高速料金を抑えるため諏訪郡富士見町の中央道諏訪南インターチェンジ(IC)で降り、杖突峠を経由するという。

 御柱祭の上社山出しは、茅野市と同郡原村境の「綱置場(つなおきば)」から同市宮川安国寺の「御柱屋敷」まで8本の御柱を氏子たちが運ぶ。御柱が通る度に曳行路の交差点を通行止めにするなど交通規制も予定。杖突峠に向かうルートに当たる茅野市宮川付近は氏子や観光客で埋まり、3日間で数十万人の人出が見込まれている。

 過去2回の御柱祭の年は、共に上社山出しの終了後に高遠の桜が開花。前回は1日違いの「ニアミス」だった。地球温暖化の影響もあり、曳行時の交通対策を担当する茅野市建設課係長の寺沢寛行さんは「重なる可能性が十分ある」と懸念する。

 市は警察や県などとも連携しつつ、県内に入る手前の中央道サービスエリア(SA)などでチラシ配布などをし、伊那ICなどを利用するよう呼び掛けていく考え。ただ、御柱祭当日は職員を含め多くの人が祭りに参加するため、人員確保も難題だ。

 一方、伊那市高遠町総合支所も、旅行会社や観光客に花見情報を伝える際、御柱祭に伴う渋滞の恐れを知らせたいという。寺沢さんは「大渋滞や混乱が起きると、信州観光自体のイメージが損なわれかねない。伊那市とも協力していきたい」と話している。

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