試験蒸留したリンゴのブランデーを前に話す久世社長(右)と峯村町長。熟成させると、手前奧の瓶のように深みのある色になる

試験蒸留したリンゴのブランデーを前に話す久世社長(右)と峯村町長。熟成させると、手前奧の瓶のように深みのある色になる

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飯綱町産リンゴをブランデーに サンクゼールが生産へ

信濃毎日新聞(2017年4月6日)

 ワイン、ジャムなど食品製造販売のサンクゼール(上水内郡飯綱町)は4月中に、飯綱町特産のリンゴを使ったブランデー生産に乗り出す。地方創生策の一環で町の支援を受け、生産に必要なドイツ製蒸留器を購入。熟成を経て2020年にも本格発売する。既に生産しているリンゴの発泡酒シードルより、ブランデーは多くのリンゴが必要。原料調達を通じて地元の農業振興を目指すとともに、高品質な商品を開発し、自社のブランド力向上にもつなげる。

 3月末には、フランス・ノルマンディー地方で造られるリンゴの蒸留酒「カルヴァドス」の生産者を招いて指導を受け、県内のワイナリーで試験蒸留した。国の地方創生交付金をもとに町が支援し、約1千万円で購入したドイツ製蒸留器を近く設置予定で、本格的な生産を始める。初年の生産量は約1千リットルで、20年にも全国のサンクゼール店舗で販売する計画。生産量はワインなどに比べればまだ少ないが、今後増やす方針だ。

 久世良三社長が1984(昭和59)年、ノルマンディー地方を旅行した際に、美しい景観や一面のリンゴ畑の中にあるカルヴァドスの蒸留所を目にし、いつか生産したいと考えていたという。ただブランデーは熟成に年数がかかり蒸留器も高額で、「もう少し余裕が出てからと思っていた」と久世社長。好機をうかがう中、町の後押しを得て生産に踏み切る。

 ブランデーは果実酒を蒸留して生産し、蒸留の過程で大幅に量が圧縮されるため、シードルに比べて多くのリンゴが必要になる。同社はシードル用のリンゴをこれまでも町内で調達。町にとっては、農家の安定した出荷先が確保でき、担い手確保や遊休農地対策につながるとの期待がある。

 同社は美食家を中心にリンゴのブランデー需要を見込んでおり、久世社長は「日本中で愛される商品に育てたい。農家と安定したお付き合いをさせてもらい、お互いがハッピーになるようにしたい」と強調。飯綱町の峯村勝盛町長は「農業や町の振興に結び付けていきたい」としている。

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