長野市大岡地区の芦ノ尻集落で7日、県無形民俗文化財の伝統行事「芦ノ尻の道祖神祭り」が開かれた。集落の全29戸でつくる保存会が主催。県道沿いにある道祖神の石碑に、集落を守る神様の顔「神面(しんめん)」を作った。
保存会の男性たちが、昨年の1月7日から1年間、石碑を飾った神面を外した。その後、各家庭から持ち寄ったしめ縄をわらで束ねるなどして、新たな神面の口、鼻、目、ひげなどを作製。これらを石碑にくくり付けて、2時間弱で高さ2メートルほどの迫力ある顔を完成させた。
道祖神祭りは明治時代の初めから続く行事。保存会が1998年の長野冬季五輪の開会式で神面を披露したこともあり、知名度が上昇した。この日もカメラを手にした観光客ら約150人が集まった。
保存会の広田忠夫会長(73)によると、集落の人口はこの20年で半減して約60人に。平均年齢も70歳ほどと高齢化が一層進んでいるが、「この行事では集落のみんなの気持ちが一つになる。やれるところまで続けていきたい」と話していた。