「恋路峠」で自然を楽しみながらのデートはいかが―。南木曽町、大桑村の観光協会は29日、滝を見たり、森林浴をしたりしながら両町村境の恋路峠を越えるウオーキングイベントを初めて開いた。峠の知名度を高める狙い。昨年度、同町が峠の支障木を伐採して眺望が良くなり、28日に除幕したばかりのハート形の「成就の鐘」などをアピールした。
恋路峠は、峠を隔てた男女がよく通ったことから名付けられたという。男女が寄り添う道祖神があるのに加え、眺望が改善されて2月に峠の展望台が「信州ふるさとの見える丘」に認定された。
この日は両町村や松本地方から65人が参加。南木曽町のJR十二兼駅から遊歩道や林道を歩き、柿其(かきぞれ)渓谷の名勝・牛ケ滝を経て、峠に到着。鐘を鳴らしたり、展望台から木曽川や中央アルプスを眺めたりし、約10キロを3時間ほどかけて大桑村のJR野尻駅まで歩いた。
中高年夫婦の"恋人"も目立ち、夫婦で参加した佐久間国雄さん(66)=塩尻市=は「水がきれいで歩いていて気持ちが良かった」。大桑村の自営業、上田(かんだ)律子さん(69)は「鐘を鳴らしたら疲れが取れた」と笑顔。南木曽町観光協会の新井和良副会長(72)は「ロマンチックな名前を生かし、若者が訪れる場所にしたい」と意気込んでいた。