木曽地域に伝わる秋の和菓子「栗子餅(くりこもち)」が味わえる季節になった。木曽郡木曽町福島の老舗「宝来屋」では25日、栗の香ばしい匂いの中で、菓子作りが進められ、丁寧に形が整えられた栗子餅がずらりと並んだ。
栗子餅は餅を栗あんで包んだもの。栗あんは栗を蒸し、砂糖と水あめを混ぜて煮込む。店ごとに味わいが異なり、宝来屋は自然の風味が感じられるよう、甘さを少し抑えているのが特徴という。
同店では今月上旬から販売を始めたが、続く暑さに悩まされ、無料で保冷剤を付けたり、購入後は早めに食べるように呼びかけたりしてきた。暑さは仕入れる栗の質や価格にも影響しているといい、今年は栗子餅1個当たり30円近く値上げ。
それでも、店主の桜井六左衛門さん(74)は「(栗子餅が)例年と変わりない仕上がりになり、ここ数日でようやく秋めいた気候にもなった。木曽の秋の味覚としてご賞味いただけたらいい」と期待した。
栗子餅は12月下旬まで販売する予定。