長野冬季五輪会場だったことを示す案内板が立つ飯綱高原スキー場。左奥の急斜面が里谷多英コース

長野冬季五輪会場だったことを示す案内板が立つ飯綱高原スキー場。左奥の急斜面が里谷多英コース

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五輪モーグル会場、民間譲渡へ 長野の飯綱高原スキー場

信濃毎日新聞(2018年5月30日)

 長野市が、長野冬季五輪でフリースタイルスキー・モーグル競技の会場となった飯綱高原スキー場について、市による営業を2019年度で打ち切り、以降は民間に譲渡する方向で検討していることが29日分かった。譲渡が困難な場合は廃止する。スキー場運営から撤退する代わりに、春から秋にかけての誘客を強化する方針で、新たな観光拠点の整備や既存施設の刷新を進める。

 市によると、同スキー場の12〜16年度の利用者数は平均で年4万2千人余。市は指定管理者の市開発公社に運営を任せており、指定管理料などで毎年1億円前後を投じている。地元関係者や市などでつくる「飯綱高原観光施設活用検討会」が16年から、同スキー場を含む周辺観光施設への投資の在り方を見直してきた。

 検討会は、調査の結果、飯綱高原全体で年100万人前後の観光客があり、85%は4〜10月に訪れていたことに着目。今年3月、観光戦略の重点を冬季中心から、春から秋のグリーンシーズンに転換すべきだと市に提言した。同スキー場については「市の財政負担を伴わない民間運営に移行する。譲渡が困難な場合は閉鎖もやむを得ない」とした。

 市は検討会の提言に沿って今回の方針をまとめ、同スキー場を引き継ぐ業者を本年度中に公募し、適切な譲渡先があれば20年度から完全民営化する。譲渡先が見つからなければ廃止し、リフトなどを撤去して植生を復元する。

 一方、新たな拠点施設は21年度の開設を目指す。地元農産物の直売や周辺の自然環境の解説、体験型観光の拠点といった機能を持たせることを想定し、公募した民間事業者と対話しながら事業案を練る「サウンディング型市場調査」を通じて具体化する。

 飯綱高原スキー場は08年、モーグル競技を行った「里谷多英コース」を利用者の減少でいったん廃止。金メダルを獲得した里谷多英選手にちなむ知名度の高さから、09年に復活した経緯がある。市内の長野冬季五輪競技会場では、市はボブスレー・リュージュ施設「スパイラル」の製氷を本年度から休止し、競技施設としては運営しない方針だ。

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