福井県坂井市出身の指揮者、小松長生さん(61)による県内の小学5年生対象のコンサートが11月26日、福井市の県立音楽堂で始まった。プロが奏でる重厚な響きに、児童たちは身を乗り出すように聴き入った。
「オーケストラと子どもたちのふれあいコンサート」は、地元文化に関心を深めてもらおうと県と県教委が2009年から開いている。新福井県民歌の音源を担当したセントラル愛知交響楽団が演奏し、国内外で活躍する津軽三味線の谷川祐司さんや、フルート奏者の窪田恵美さんら福井ゆかりの4人がソリストを務めた。
初日は25校の約1100人が参加した。小走りで登場した小松さんは、指揮台に立つと素早くタクトを振り「ウィリアム・テル」序曲の「勝利の行進」で幕開け。弦楽器や管楽器など、さまざまな楽器の音色が美しく重なり、児童たちは一瞬で引き込まれた様子だった。新福井県民歌も演奏され、児童たちは立ち上がって大きな歌声を響かせた。
初めてオーケストラのコンサートを聴いたという児童は「指揮者の動きも音楽も迫力があって、見ていて楽しかった」と話していた。
コンサートは29日まで連日開かれ、184校の約8千人が鑑賞する。