馬車が通ったとみられる山道などを利用した新たな登山ルート=7月27日、福井県永平寺町の城山

馬車が通ったとみられる山道などを利用した新たな登山ルート=7月27日、福井県永平寺町の城山

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中世の山道生かした登山ルート 福井県永平寺町の城山、有志グループが整備

福井新聞(2021年8月6日)

 福井県永平寺町の城山(しろやま)(標高約474メートル)に、地元の有志グループ「永平寺じょやま会」が新たな登山ルートを整備した。中世に山頂の山城まで物資を馬車で運んだ「馬車道」とみられる山道などを活用した全長約5キロで「越前波多野城こもれびBASHADO」と命名。メンバーらは「歴史的な遺構が残されている。歩いて歴史を感じてほしい」と利用を呼び掛けている。

 城山は地元で「じょやま」の通称で親しまれ、山頂部には鎌倉時代に地域を治めた豪族・波多野氏の山城跡がある。同会の調査で、馬車が通ったとみられる断面がU字型の山道があったことなどから、新ルートの整備を計画した。

 新ルートは同町花谷の花谷友遊広場が起点。平野部の波多野氏館跡などを通過し、城山の西側にある登山口から山中へ入り、観音峠などを経て山頂へ至る。山中部は約2・5キロあり「馬車道」のほか、見張りなどに用いた「郭(くるわ)」の跡とみられる高台なども生かした。

 昨秋、整備に着手した。山中の倒木や雑木を除去したほか、地元の志比小児童らと協力して案内看板も設置し、7月11日にルートを開放した。整備にはクラウドファンディングで募った62万円をはじめとした会への寄付を活用した。

 8月1日には、登山者らに城山の四季の樹木を紹介する横150センチ、縦90センチの看板も同広場に設けた。同会の会長は「今後、新ルートの展望スポットにベンチを設けるなどしていきたい」と話した。

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