日本酒を雪の中に埋める「蔵納め」の作業をする観光関係者ら

日本酒を雪の中に埋める「蔵納め」の作業をする観光関係者ら

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春と観光客待つ雪中酒 戸隠神社式年大祭に向け仕込み増量

信濃毎日新聞(2015年1月10日)

 戸隠観光協会などは9日、長野市戸隠の戸隠神社宝光社境内で、雪の中で日本酒を熟成させる「戸隠雪中酒」造りを始めた。今年は、善光寺御開帳と同じ年に開かれる、7年目に1度の戸隠神社式年大祭(4月26日〜5月26日)があり、多くの観光客らが戸隠に訪れるため、昨年より500本多い3千本を用意する。この日は観光関係者ら約20人が雪の中に日本酒を埋める「蔵納め」をした。

 宝光社でおはらいをした後、観光協会員や酒店の店主らが、日本酒計3千本の入ったケースを地面に置いた台の上に次々と積んでいき、シートで覆った。シートの周りには神社らしくしめ縄を巻き、悪いものが入らないよう願いを込めた。その後、除雪機やスコップを使い雪を掛けた。

 蔵納めした日本酒は、県産の酒米「美山錦」を原料にした特別本醸造生原酒と純米吟醸のそれぞれ1升(1800ミリリットル)と4合(720ミリリットル)の瓶入りの計4種類。4月上旬に掘り起こし、式年大祭に合わせ4月下旬から、戸隠地区の酒店で販売したり、戸隠観光協会加盟の旅館や飲食店で提供したりする。

 戸隠雪中酒の販売は9年目。温度が一定で湿度が高い雪の中で保管すると、味がまろやかになる。戸隠雪中酒販売組合代表の渡辺忠茂さん(51)は「良い状態で熟成した酒を味わってもらい、豊かな自然など戸隠の魅力を感じてほしい」と話した。

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