1日のオープンを前に、準備が進む県ふるさと文学館の館内=1月29日、福井市下馬町

1日のオープンを前に、準備が進む県ふるさと文学館の館内=1月29日、福井市下馬町

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福井ゆかりの作家一堂 2月1日開館 県ふるさと文学館

福井新聞(2015年1月30日)

 2月1日の福井県ふるさと文学館の開館を前に、報道関係者向け説明会が29日、福井市下馬町の同文学館で行われた。三つの展示ゾーンを設け、三好達治、中野重治ら福井ゆかりの作家約30人や福井を描いた文学を紹介。自筆原稿や愛用品など貴重な資料約450点を展示し、作家の実像や作品の背景に迫ることができる。

 文学館は、県立図書館内のコーナーの一部を改修し昨年1月に着工した。延べ約1020平方メートル。工事費は約5億8千万円。古里文学への興味、関心を高めてもらい、本県出身の若手作家の創作活動も支援していく。

 文学館によると、図書館・文書館・文学館の3館を併設した施設は全国でも珍しいという。各施設の「読書」「郷土史」「文学」の機能を組み合わせた楽しみ方を提案していく。

 入り口には大型映像モニターを設置し、作家を紹介した鮮やかな映像で来館者を出迎える。

 一つ目の展示ゾーン「福井の文学 プロローグ」は、古里の文学を総合的に紹介。福井ゆかりの作家約30人を分野ごとに分け、プロフィルを説明するパネルや代表作品、愛用品などを展示。有明夏夫の取材メモ、藤田宜永のサングラスなどを並べる。

 二つ目のゾーン「代表作家」は、福井ゆかりの三好達治、中野重治、高見順、水上勉、津村節子の各氏に焦点を当て、自筆原稿や愛用品など約200点を展示。中野が妻について語ったエッセーの原稿や、水上が自著「越前竹人形」を上演用に書き直した台本を披露する。高見が母親に縫ってもらった茶色のどてらもある。

 三つ目のゾーン「企画展」は作家を幅広い角度から取り上げ、定期的に展示内容を変える。開館記念特別展として1日〜4月5日は、文学館特別館長の津村さんと夫で作家の故吉村昭さんを特集。2人が結婚前から交わした手紙226通などを並べ、作家夫婦の葛藤や絆を紹介している。

 このほか、福井の代表作家5人の記録映像などを上映する映像コーナーを設置。展示室の周囲には、貸し出し可能な関連作品・資料約7千冊を配置した。

 1日は午後2時開館。2日は臨時開館する。

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