みこしを担いで天竜川に入り五穀豊穣などを願った「時又初午はだか祭り」=8日、飯田市

みこしを担いで天竜川に入り五穀豊穣などを願った「時又初午はだか祭り」=8日、飯田市

長野県 伊那路 祭り・催し

担ぎ手勇壮、会場熱く 飯田で伝統の「時又初午はだか祭り」

信濃毎日新聞(2015年3月9日)

 さらし姿の若者らが中心となってみこしを担ぎ、家内安全や五穀豊穣(ほうじょう)などを願う「時又初午(ときまたはつうま)はだか祭り」が8日、飯田市時又で開かれた。みこしを担いだまま天竜川に入る祭りの見せ場には大勢の観客が詰め掛け、勇壮な担ぎ手たちの熱気が会場を盛り上げた。

 鎌倉時代から続く伝統の祭りで、今年も約120人の担ぎ手が地元の長石寺に集合。午後1時ごろになると、馬や米俵、だるまなどをかたどったみこし9基を担いで出発し、沿道の観客に見守られながら集落を練り歩いた。

 川岸に到着すると、担ぎ手たちは「御水(おんすい)、御水」と威勢のいい掛け声を発しながら次々と流れに入った。男性たちはみこしを高く持ち上げて胸まで水に漬かった。昨年から登場した女性だけで担ぐみこしも川に入った。祭り保存会長を務める伊原聡(とし)さん(68)は、祭りの魅力について「いろいろな人たちの願いをかなえるための祭りであるとともに、担ぎ手たち自身も楽しんでいる」と話していた。

 祭りは東日本大震災以降、みこしに復興祈願の文字を掲げ、会場で販売した守り札などの売り上げの一部を義援金として被災地に送ってきた。今回は、長野県内で昨年起きた土石流災害や地震の被災地に送る。

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