14日に迫る北陸新幹線(長野経由)金沢延伸を踏まえ、松本市は岐阜県高山市経由で松本市と金沢市とを結ぶ観光ルートに観光客の流れをつくる取り組みを強化する。東京―金沢間の時間短縮を好機と捉え、ルート沿線の観光素材を掘り起こして国内外に発信する。
松本市によると、近年増えている外国人観光客は10日から2週間程度、日本に滞在するケースが目立つといい、「ルートをたどる外国人に『これぞ日本だ』という観光旅行を提案したい」と意気込む。3市は1980年代半ばから、海外の旅行雑誌や旅行会社の担当者を招くなどしてPRしてきた。今回は、観光メニュー作りから手掛ける構想で、金沢市、高山市との協議も本格化させる。
金沢―高山間と高山―松本間は一般道や高速道を経由するバスが運行している。松本市は、東京―金沢間を新幹線で移動する観光客が、金沢、高山、松本間をバスかレンタカーで巡り、中央東線で東京に戻る観光スタイルを提案できると考えている。
ルート沿線には、合掌造りの民家で知られる岐阜県白川村の集落「白川郷」などがある。松本市の担当者は「観光素材は、犀川や梓川をはだしで歩いてもらう体験会など、これまでにない発想を大切にしたい」と話した。
市議会は12日、観光メニュー作りや発信などを広告代理店や旅行会社などに委託する費用として1850万円を盛った本年度一般会計補正予算案を可決した。