北アルプス南部・上高地（松本市安曇）の観光シーズン到来を祝う上高地開山祭が２７日、河童橋のたもとで開かれた。このところの暖かさで雪解けが進む山々を背景に、地元のグループがアルプホルンの演奏や獅子舞を披露。円安効果で外国人客の姿も目立ち、大型連休の初日から大勢の観光客らでにぎわった。

　友人と訪れた東京都の会社員広田千紗さん（２５）は初めての上高地。「山も水も雑誌で見た以上にきれい。ずっと見ていられる」と別天地の景色を満喫していた。

　松本市アルプスリゾート整備本部によると、昨年１～１０月の上高地への入り込み数は過去１０年で最多の延べ１２５万人余。開山祭実行委員会によると、今年は上高地に続く県道上高地公園線の冬季閉鎖が今月１７日に解除されて以降、連日多くの観光バスが行き交う。実行委員長で上高地町会長の小林清二さん（６９）は「団体客を中心に去年を上回るにぎわいが期待できそうだ」と話した。

　松本署はこの日、上高地インフォメーションセンター内で警備派出所を開所。大型連休に合わせ、５月６日まで署員２人を配置し、相談対応や登山計画書提出の呼びかけなどに当たる。