北陸新幹線金沢―福井の先行開業を議論する与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(座長・稲田朋美自民党政調会長)の検討委員会は19日、衆院議員会館で開かれ、福井県の西川知事と石川県の谷本正憲知事が出席した。西川知事は先行開業に前向きの姿勢を示し、用地取得に「協力していく」と強調。国に先行開業を目指す場合の具体的な工程を示すよう求めた。
会合で西川知事は、石川県境―福井の用地取得の状況を説明。既に取得している5キロを除き約20キロで交渉が必要になることや、埋蔵文化財の調査は6・7ヘクタール中1・3ヘクタールで終えていることなどを報告した。用地取得を進めるため、職員を現在の29人から52人に増やし、新年度には福井用地事務所を新設。坂井、丹南・敦賀と合わせて3事務所体制にするとした。
谷本知事は、富山県境―金沢の用地取得を担った経験から「埋蔵文化財の調査に相当時間がかかる。民間組織に委託できるよう国の配慮をお願いしたい」と要望した。
終了後に西川知事は「用地買収は石川県と全力で取り組まないといけないが、まずは国が全体の工程を提示する必要がある」と強調。県として「可能なことは全力でやっていただきたい。(県としても)それに協力する」と述べた。
会合には本県から検討委メンバーの山本拓、高木毅衆院議員、滝波宏文参院議員が出席した。
山本氏は「用地取得の完了を待つのではなく、取得できた部分から工事にかかるような取り組みが必要」と指摘。高木氏は「先行開業するにはどの時点で何をクリアしないといけないのか、全体工程を踏まえた議論が大切だ」と述べた。滝波氏は「国交省には、どうやったら実現できるかという観点で工程を出してもらい、課題を解決していきたい」とした。
検討委は2023年春ごろの開業を予定する北陸新幹線金沢―敦賀のうち、金沢―福井を2年程度前倒しし、東京五輪が開催される20年度中の開業を目指し議論している。夏までに結論を出す方針。