木曽郡王滝村の王滝観光総合事務所は5月4日から、同村と同郡木曽町境にある牧尾ダムのダム湖「御岳湖」でカヌーツアーを楽しむ事業を再開する。村の新たな観光資源を掘り起こす狙いで昨年9月に始めた直後、御嶽山の噴火で営業を自粛した。今季は、宿泊やウオーキングと併せたコースも加え再起を図る。
御岳湖は、愛知県などに水を供給する愛知用水の水がめ。昨年9月上旬、県の支援金を受けて「湖面を活用した新たなスポーツ」としてカヌーツアーを始めた。晴れれば御嶽山を望む湖面を1時間半ほどかけて回る内容で、噴火が起きた昨年9月27日までに約100人が利用し、順調なスタートを切った。
しかし、噴火で多くの犠牲者が出て、昨年11月初旬まで続ける予定だった営業の自粛を決めた。今年2月まで関係者で議論を重ね、「観光業の冷え込みは死活問題。少しでも前を向こう」と今季の再開を決めた。
昨年は1時間半のコースのみだったが、今季は2時間半の「ロングコース」やカヌーとウオーキングを組み合わせた「Dayプラン」、宿泊とウオーキングも加えた「特別セットプラン」も新設した。
同事務所の職員や会員企業の関係者らがガイドを務める。ガイドの田島勝之さん(49)は、噴火で職を失い、3月から同事務所で働き始めた。「安全に気を配りながら、自然の魅力は山だけでなく麓にもあることを伝えていきたい」と張り切っている。
カヌーは事前予約制。申し込みは王滝観光総合事務所(電話0264・48・2257)へ。