亡くなった南部陽一郎さんをしのび、直筆の色紙などが展示された追悼展=19日、福井市の県立こども歴史文化館

亡くなった南部陽一郎さんをしのび、直筆の色紙などが展示された追悼展=19日、福井市の県立こども歴史文化館

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南部陽一郎さんしのぶ追悼展開幕 福井県立こども歴史文化館

福井新聞(2015年7月20日)

 今月5日に亡くなったノーベル物理学賞受賞者で福井市名誉市民の南部陽一郎さんをしのぶ追悼展が19日、福井県立こども歴史文化館(福井市)で始まった。南部さん直筆の数式が書かれたホワイトボードなど貴重な資料が展示され、好奇心旺盛だった「知の巨人」の生前の姿が垣間見える。8月31日まで。

 2009年に開館した同館では、南部さんの功績や半生、素粒子研究などを紹介するコーナーを常設展示している。南部さんの訃報に接し、追悼の意を込めて収蔵庫に保管していた資料を特別展示した。

 ホワイトボードは、南部さんがノーベル賞を受賞する2008年の春に甲南大を訪れ、宇宙物理学者の佐藤文隆さん(現京都大名誉教授)と物理学の問題について議論した際に使用したもの。同大から11年に寄贈された。

 ボードには「フォノン(音子)は重力で落ちるか」をテーマに、南部さんが青色のペンで書いた数式や記号、グラフなどが残る。同館によると、自然を斬新な発想と数式で解明しようとする研究スタイルがうかがえるという。

 このほか、旧制一高時代の数学の自筆ノート3冊が新たに公開された。数式や文字を丁寧に整然と記しているのが印象的。ノーベル賞受賞後に福井県の子どもたちに宛てた色紙「Boys and Girls Be Ambitious!(少年少女よ、大きな夢を持って)」も展示している。

 訪れた中田真衣さん(福井市棗小2年)は「字を見ても何か分からなかったけど、ノーベル賞を取ったすごい先生がいたことを初めて知った」と感心した様子。父親の幹宏さん(47)は「ご本人から福井の子どもたちにもっとメッセージを伝えていただきたかったが、亡くなられたのは残念」と話していた。

 開館時間は午前9時〜午後5時。

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