10日から一般に開放される八ケ岳演習林の「恵みの森」

10日から一般に開放される八ケ岳演習林の「恵みの森」

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筑波大、八ケ岳演習林を一般開放 10日から「恵みの森」

信濃毎日新聞(2015年10月8日)

 南佐久郡南牧村野辺山にある筑波大農林技術センター八ケ岳演習林事務所は10日から、事務所周辺の演習林約14ヘクタールを「恵みの森」として一般開放する。苗畑や試験地として使われてきたが、放置状態が続き、防風林が伸び過ぎるなどしていた。JR野辺山駅から国立天文台野辺山宇宙電波観測所に至る途中にあることから、住民や観光客も楽しめるように伐採し、遊歩道を整備。開放後は、地域や学校の森林体験や自然観察の場などにも活用してもらう考えだ。

 開放される演習林は、1948(昭和23)年に筑波大の前身の東京教育大農学部付属野辺山農場としてスタートした。原野に試験地や苗畑を設け、厳しい気象条件から守るためにマツなどの防風林を育成。今までは学生の実習で使われてきた。

 しかし、防風林が20メートルを超え、周辺の道路や畑の日照を妨げるなど問題が生じていた。そこで、2011年度から古い木を伐採。ミズナラなど低い広葉樹を増やし、開放的な森に転換を図っている。

 一般開放に当たり、正門から国立天文台野辺山の敷地入り口につながる南門までの全長約570メートルの遊歩道を、チップを敷き詰めるなどして整備。同観測所の敷地入り口近くにつながるようにし、樹種を知らせる看板を掲げた。山菜採りなど植物や昆虫の採集も自由で、ペットもリードを付けてふんを持ち出すことを条件に入場できる。火気器具の使用は禁止とする。

 今後はボランティアを募集し、地域住民に技術指導をしながら森づくりなどに関わってもらう。作業で出た不要木を希望者に提供することも考えている。同演習林事務所の藤岡正博准教授(59)は「地域の人たちに自由に使ってほしい」と話している。

 初日の10日は、同観測所や隣接する信州大農学部野辺山ステーションとともに、南牧村と南佐久郡川上村の住民を対象にした地元感謝デーを開催。午後1時半から恵みの森で森林樹木ラリー、同4時半から近くの南牧村農村文化情報交流館「ベジタボール・ウィズ」で講演会、同6時から観望会を予定している。いずれも参加無料。

 問い合わせは、筑波大農林技術センター八ケ岳演習林事務所(電話0267・98・2412)へ。

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