松本市の松本城本丸庭園で1日、住民有志でつくる松本古城会の35人が、雪や冷気から庭木を守る「冬囲い」をした。わらを編んだ円すい状の「わらぼっち」が師走の澄んだ青空に黄金色に映え、外国人観光客らがカメラを向けていた。
同会の婦人部が約50株のボタンの枝をまとめ、わらぼっちをかぶせた。風は冷たかったが、落ち葉掃きをした男性は「例年よりは暖かいね」と汗をにじませながら、大袋いっぱいに葉を詰め込んでいた。造園業者が松の枝に「雪つり」を施し、庭園は冬支度が整った。
15年ほど活動している同会の奥原富士子さん(86)は、「毎年の楽しみ。近年は外国のお客さんも増えているので珍しがって見てもらえたらうれしい」と話していた。市教育委員会は年末年始の観光客増を受け、これまで三が日は閉場していた天守を来年の正月は公開。本丸庭園は例年通り無料開放する。