夏至から数えて11日目の半夏生の日に丸焼きサバを食べる福井県大野市の風習にちなみ、大野商工会議所青年部は29日、焼きサバを使った新商品「越前おおのはげっしょ寿司(ずし)」を発表した。会員たちは「半夏生(はんげしょう)サバの文化と、名水の恵みを受けた食材のおいしさを知ってもらいたい」とアピールしている。2月6、7の両日、同市の越前おおのまちなか交流センターで開かれる「越前おおのふるさと味物語」で販売を開始する。
半夏生サバの風習は江戸時代、飛び領地を越前海岸沿いに所有していた大野藩主が、田植えで疲れた農民に食べさせたことが始まりとされる。大野弁で半夏生のことを「はげっしょ」と言うのが商品名の由来だ。
同青年部は半夏生サバの文化を世界に発信しようと昨年1月、焼きサバずしの巨大なモザイクアートを作り、41・99平方メートルでギネス記録の認定を受けた。一過性の話題に終わらせまいと、3月ごろから商品開発に着手。10月には、県内の若者グループが地域活性化の企画を競い合う「若者チャレンジプランコンテスト」で提案し、採択を受けた。
大野の広大な田んぼで育ったコシヒカリと長期熟成させた酢で作った酢飯に、地場産の香味野菜を混ぜ込んだ。焼きサバは市内の仕出屋で、塩漬けして焼き上げ、臭みを取る工程に4日間かけたもの。じっくり仕上げた焼きサバのほぐし身と切り身がすしに載り、食べる前には専用のしょうゆをかけるのがポイントという。
同青年部の植村秀行会長(44)は「大野のおいしい水とこだわりの製法で作ったすしを、ぜひ味わってほしい」と話している。
税込み1200円。「味物語」では1日100個限定で販売。その後は同市明倫町の平成大野屋結楽座で販売する。問い合わせは同会議所=電話0779(66)1230。