■県内2カ所目 自給態勢確立後押し
文化庁は15日、合掌造り家屋の屋根に使うカヤを栽培する南砺市相倉(平)の茅場を、新たに「ふるさと文化財の森」に選定したと発表した。県内では、昨年選ばれた同市上平茅場に続き2カ所目。国の支援により、カヤの自給態勢確立への後押しになると期待される。
「文化財の森」は、寺社や古民家の柱、屋根などの修理に必要な資材確保と、技能者育成を狙いに、2006年度から選定。下草刈りや病害虫対策、通路整備など管理費の半分が国から助成される。
同市の相倉茅場は約4・5ヘクタールで、このうち地権者の同意が得られた3・2ヘクタールが選定を受けた。南砺市と16個人が所有し、相倉史跡保存顕彰会(中谷信治会長)が主に管理を担う。江戸時代から受け継がれ、現在は世界文化遺産の相倉集落で必要とされるカヤの約70%を供給している。
地元住民にとどまらず、南砺平高校生徒やユネスコ協会メンバー、企業関係者らが下草刈りや収穫作業に参加し、支援の動きが広がっている。
18日に文化庁で設定書交付式があり、中谷会長と此尾治和市教委文化・世界遺産課長が出席する。今回は相倉茅場以外に、岩手県の遠野茅場、福島県の三島町キリ林など5カ所が選ばれた。