戦国大名・朝倉義景が、戦功を上げた武士をたたえた書状など、初公開の資料を並べたテーマ展「朝倉新知見」が23日、福井市の県立一乗谷朝倉氏遺跡資料館で始まった。書状のほかに一乗谷の僧が書き写した本「神祇抄(じんぎしょう)」や、花の飾り方を説明した「立花伝書(たてはなでんしょ)」などを展示している。9月13日まで。
縦約12センチ、横約30センチの書状は「感状」と呼ばれ、1555年に一向一揆との戦いで手柄をたてた武士に贈ったもの。感状の多くが署名代わりの「花押(かおう)」のみなのに対し、今回の展示品には「義景」の署名と花押の両方が書かれた感状もある。心を尽くし、味方としてつなぎ止めておきたいという義景の思いが伝わってくる。
神祇抄は1568年、一乗谷の教得寺の僧が書き写した本。戦国時代、一乗谷には多くの寺院が建てられ、城下町の学びやとして学問が盛んだったことを証明している。「立花伝書」は、床や棚への花の飾り方を色彩豊かに綿密に描いている。
24日午後2時半から、学芸員による展示解説を行う。
また遺跡発掘出土品などを並べた特別公開展「重要文化財は語る」も、23日から同所で開かれている。11月13日まで。