岐阜県の関ケ原古戦場跡を出発点に滋賀県内5カ所、福井県内31カ所を「のろし」でつなぐイベント「第10回古里をのろしでつなごう」が16日、各県の史跡などで行われた。それぞれの地域で史跡や自然を守っている住民らがつないだ"煙のバトン"は約1時間をかけて福井、石川県境の刈安山までつながった。
イベントは戦国武将の朝倉氏が近江を治めた浅井氏と同盟関係にあった縁から、滋賀県で毎年行われている「のろし駅伝」の輪を広げる形で2007年に始まった。今年は午前10時に関ケ原で出発ののろしが上がった。
賤ケ岳(長浜市)などを経て、約20分後に本県最初の中継点となる玄蕃尾(げんばお)城跡(敦賀市)で煙を確認。晴天にも恵まれ、複数ルートに分岐しながら順調にリレーが進んだ。
各中継点でのろしを上げたのは、史跡の保全や山々の環境整備に取り組んでいる住民有志ら総勢約800人。地域の交流イベントを合わせて開き、約200人が集まった中継点もあった。
朝倉氏の山城があった一乗城山(福井市)では、朝倉氏遺跡保存協会のメンバー5人が、午前11時ごろに三峯城跡(鯖江市)から上がるのろしを見つけて歓声を上げた。すぐに竹ざおに結びつけた発煙筒を掲げると、秋空に真っ白いのろしがもくもくと昇っていった。